合格までの最短距離をいくための英語勉強法 (4) 英作文のやり方
受験英語の中でも英作文は何かと後回しにされがちで、特に現役生からはかなり軽視される傾向が強いですね。
軽視というか、やりたいしやらないといけないんだけど、やり方や書き方が分からないから放置、みたいな人が多いです。
でも、英作文が出題される人は、絶対にしっかりと対策をしないといけないところです。
なぜかというと、英作文はもっとも点数の差がつきやすいところだから。
文法よりも長文よりも、かなり大きな差が出ます。
これは、書き方知らないとほぼ点にならず、ある程度コツを身につけると一気に点が取りやすくなる、と言い換えることもできます。
また、合格するかどうかとの相関関係がもっとも大きい分野でもある、というのが統計でも出ています。
つまり、ここをできた人ほど受かりやすさが高まる、という相関が、英作文は他のセクションよりも高いということです。
さてこの大切な英作文、もちろんきっちりと正しい勉強法にのっとって進めていくべきです。
その方法をご説明します。
あ、あと、英作文は大別すると「和文英訳」(いわゆる普通の英作文)と「自由英作文」がありますが、ここではまず「和文英訳」の方だけ説明します。
「自由英作文」もコツを掴むとめちゃくちゃ点が取りやすいところなのでしっかり対策をするべきですが、それはまた後日。
「英作文」をやる時期
受験英語の分野、「長文」「解釈」「文法」「英作文」「単語」「リスニング」のうち、「長文」と「文法」がある程度進められたら、次にやっと入れるのが「英作文」です。
「単語」については以前書きましたが、これは継続的に進めていくべきものですし、「リスニング」はほぼ独立したセクションなので、大学受験に向けて英語を効率よく学ぶ、という一連の流れの中では最後の分野となりました。
もちろん、これが済んでからバリバリと問題演習とかをこなしていかないといけませんが、ここまで来たらもう英語はかなりの武器になっているはずです。
「長文」はともかく、「文法」はほぼすべての範囲の基礎をざっくりとでいいので理解してからじゃないと、「英作文」に進むべきではありません。
ルールを知らずには書けませんからね。
特に、「文型」「時制」「準動詞」「関係詞」はある程度マスターしてから臨まないといけません。
英作文にかかる時間は1~2ヶ月ほど(例文暗記は演習が済んでから受験日まで続けるべき)ですが、「解釈」などとは違って、「英作文」は英作文だけをやる時期、というのを作るべきではないので(文法や長文も並行してやる)、もう少し時間がかかっても大丈夫です。
「英作文」のおすすめ問題集・勉強法
まず、大学受験に向けておすすめの英作文問題集をご紹介します。
(演習用)
竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本
英作文のトレーニング はじめる編
英作文のトレーニング 実戦編 (そこそこ慣れてる人向け)
(暗記例文用)
ドラゴン・イングリッシュ 基本英文100
英作文基本300選
一気に並べてしまいましたが、学習法について述べていきます。
英作文はポイントを分けて説明します。
ポイント1 いつも文法を確認する!
まず英作文でとにかく大切なのが、常に文法を意識する、少しでも引っ掛かったところは文法参考書で確認する、ということです。
そもそも大学受験の英作文の勉強というのは、英作文を書くためだけのものではありません。
英作文の勉強は、文法の力をきっちり身につけ、長文読解などでも瞬時に意味やニュアンスを理解するのにとても大きな効力を発揮するものです。
なので、関連する文法事項は時間を惜しまずにしっかり確認してください。
たとえば、「~のおかげで私は…することができた」で enable O to do の形を使ったとしたら、同じように S V O to do の形を取る動詞をまとめて確認する、とかです。
このプロセスの効果はほんと、はかり知れません。
ということで、上に紹介した「演習用」の3冊、
「竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本」「英作文のトレーニング はじめる編」「英作文のトレーニング 実戦編」は、文法とか作り方の説明が充実しているので、おすすめです。
まず自分で書いてみて、解説を読んで確認をし、なぜそうなるのかの説明ができるまで読み込んでください。
出てきた文法を確認し、覚えなおしたりすることは言うまでもありません。
自分が書いたものが正しいのかどうか、間違えたのならばどうして誤りなのか、もちゃんと把握できるようにしてください。
とはいえ、最後のプロセスは受験生がひとりでやるには厳しい部分でもあるので、解説を見たりしてもどうしても分からないところは、ちゃんと先生のところに持って行って添削してもらい、分かるまでしつこく聞きましょう。
ここで紹介したものは文法を確認しながら英作文を書く、というのをしっかり意識しているので、バランスよく英語力が高まっていきます。
ポイント2 演習→例文暗記の順番!
たまに、英作文ほとんど書いたことないのに、例文を暗記すれば英作文は書ける!と信じて、例文を必死に暗記しようとする人がいます。
実際、そうやって教えてしまっているところもあるようですが。
やってみれば分かりますが、めちゃめちゃ苦痛ですし、ほとんど使えないです。
というか、ちゃんと文法を意識してやれていないので、そもそも覚えられないです。
例文暗記が役に立つのは、演習用の問題集である程度やりこんでからです。
ここまでいくと、あーー確かにこういうときはこう書くな、とか、はいはいあそこでやったあの構文ね、みたいに、記憶の引っ掛かりが増えており、実際に使えるものだというのが自分の経験で分かっているため、覚えやすくなっています。
なので、演習用の問題集をやってから、「ドラゴン・イングリッシュ 基本英文100」「英作文基本300選」あたりの「暗記もの」に進みましょう。
「暗記」と言っても、単純暗記とはわけが違います。
文法をちゃんと理解して、うんそりゃこういうときはこの表現だよね、といった感じで、納得しながら頭に入れていくものです。
例文暗記は実質的には終わりがないので、受験日までひたすら繰り返していきましょう。
そのぶんちゃんと応えてくれるのが英作文のありがたいところです。
基本的な演習を終えて、例文暗記を1か月ほど続けると、そこそこの国公立大学までならば英作文でかなりいい点が取れるようになります。
記述模試でもほぼ減点がなくなるはずです。
さらに、読解力や文法力もちゃんと上がっています。
ここまではきっちりやりきるようにしましょう。
もっと上のレベルの英作文が出てしまう(医学部や旧帝大やそれに準ずる大学)とか、和文英訳を絶対的な得点源にしたい、という人は、もうひとつ上のレベルのポイントがありますが、これは後日改めて。
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