コラム②(9月入学制度について)
今回はコラム第二弾ということで、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により話題となっている『9月入学制度の導入』について考えたいと思います。
そもそもこの9月入学制度の導入が議論されているきっかけとしては、新型コロナウイルスの影響により多くの高校や塾予備校が閉鎖となってしまったことで、今年度の受験に不平等さが生じてしまうのではないか、という考えがあります。実際9月入学にしてしまえば、この空白期間を薄める効果が期待できることは事実です。
しかしながら、大きな改革となり得るだけに、慎重に検討すべきなのもまた事実です。
そこで今回は9月入学制度の導入を行っていくうえでのメリットとデメリットを私なりに考えてみました。
・メリット
①半年遅らせることで平等性の高い受験を行える可能性がある
半年の期間を置くことで、現役生の数Ⅲであったり、物理の電磁気・原子といった、現役生が終盤に習う範囲の演習期間をある程度確保できる為、浪人生と現役生の条件の差を従来の入試に近い形に修正できます。
②グローバル標準に合わせることができる
これは前々から言われていることですが、例えばアメリカをはじめとする世界の国々は9月入学制度を採用していることも多く、日本人が留学に行く際に、半年間の空白期間が発生してしまう訳です。こういった問題を解消し、世界基準に合わせる良いきっかけだと捉えることが可能です。
・デメリット
①半年でCOVID-19が終息するかは不明
デメリット一つ目は、今後COVID-19の第二波、第三波が訪れた場合、9月入学にしたところで、結局意味をなさない可能性があることです。多額の費用を投入し制度改革を行った後、結局再延期ということになれば、大きな混乱を招くため、この点はまず理解しておかねばならないでしょう。
②金銭的な問題をはじめ、対応が追い付かない可能性がある
上にも記載しましたが、改革には多方面への働きかけ、多くの方々の努力、そして多額の費用が発生します。これだけ急に行うとなればなおさらです。現実問題として、制度改革が十分になされないまま、ゴタゴタになってしまう可能性は指摘されています。
今回はコロナウイルスの影響による9月入学制度の導入について考えてみました。
ちなみに私は、フラット~6:4で9月入学派です。この件については、今後も動向を追っていこうと思っています。
いずれにせよ、受験生の皆さんにとっては、9月入学になろうがならまいが、『いま全力で勉強する』ことが何よりも大切であり、間違いのない選択になると思います。
例え入試が延期になろうとも、結局はこの数か月の努力の差が消えてなくなるということはあり得ません。不安かも知れませんが、今こそ逆転のチャンスだと捉えましょう。
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